情報収集力があり、またその観察力に優れていることを表している四字熟語です。
【飛耳】は、遠くのことを聞く耳ということで、情報を集める能力とでも言うのでしょうか、また
【長目】は、遠くまでよく見通すことが出来る目ということで、深い観察力を言います。
【飛耳長目】は『管子』九守第五十五にでてきます。
「九守」というのは、君主として守るべき九項目という意味です。
八項目目に「君主が民衆の情報を参用することについて」として
『一に曰く、長目。二に曰く、飛耳。三に曰く、樹明。』
君主たるものは、
はるか遠方のことを見通す、目の働きを第一とし
はるか遠方の音声を聞き取る耳の働きを第二とし
知力による明晰な推察の働きを確立することを第三の要件とする。
これが【飛耳長目】の出典です。
因みに、春秋時代の「君主の九項目」を掲げてみます。原文では、それぞれの項目について具体的に詳しい説明が記載されています。見出しだけを書きました。
① 君主の地位について
② 君主の賢明さについて
③ 君主の聴取について
④ 君主の刑賞について
⑤ 君主の疑問について
⑥ 君主の拠り所について
⑦ 君主の謹密について
⑧ 君主の情報参用について
⑨ 君主の名位について
当時の君主の条件だそうです。