【善く游(およ)ぐ者は溺(おぼ)れる】と訓読されまして、
得意分野であり、能力もあると思い込んでつい油断をしてしまい、思わぬ失敗をしてしまうことを表わした言葉です。出典は『淮南子:エナンジ』原動訓です。
夫善游者溺、
夫(そ)れ善(よ)く游(およ)ぐ者(もの)は溺(おぼ)れ、
水泳の名手が、(おのれの能力を過信して無理な遠泳に挑戦して)溺れたり
善騎者墮。
善く騎(の)る者は堕(お)つ。
乗馬の名人が、(おのれの能力を過信して無理な曲乗に挑戦して)落馬したりするのは
各以其所好、
各々(おのおの)其の好(この)む所を以(もっ)て、
それぞれ得意の技によって
反自爲禍。
反(かえ)って自(みずか)ら禍(わざわ)いを為(な)す。
逆に禍を招いてしまうことになる。