【老いて学ぶ者】と、訓読されます。
『顏氏家訓』勉学篇に見える四字熟語です。
【老いて学ぶ者】は、行燈を頼りに暗闇を行くようなものではあるが、目を瞑(つぶ)って何も見ようとしない者より格段に優れている。『顏氏家訓』でのお話です。
勉学篇では、学問の重要性を説くとともに生涯を学問に志せ、と言ってます。
世人婚冠未學、
世人は婚冠(コンカン)して、いまだ學ばず、
世間には、成人になるまでに学問をしていないと
便稱遲暮、
すなわち遲暮(チボ)と稱(ショウ)し
すでに遅すぎるといって、
因循面牆、
因循(インジュン)面牆(メンショウ)し
改めようとしないで、一歩も前進しない人がいる
亦爲愚耳。
また愚となすのみ。
これを愚かと言わずになんといおう。
幼而學者、
幼くして學ぶ者は、
幼い時から学ぶ者は、
如日出之光、
日の出の光のごとく、
朝日の下を行き、
老而學者、
老いて學ぶ者は、
老いて學ぶ者は、
秉燭夜行、
燭(ショク)を秉(と)りて夜行くがごとし、、
行燈を頼りに暗闇を行くようなものではあるが、
猶賢乎瞑目而無見者也。
なお瞑目して見ることなき者に賢(まさ)れり。
しかし、目をつぶって何も見ようとしない者より格段に優れている。