【則(すなわ)ち、民(たみ)服せず】と訓読されます。
国民が従わないのは、不正な者を抜擢して正しい者の上に置くようなことを国がするからです。
紀元前の古代中国のお話です。
孔子(B.C.552~B.C.479)が14年間の長い諸国放浪の旅を終えて、祖国の魯(ロ)に帰ってきました。
当時の魯の君主、哀公(アイコウ:B.C.494~B.C.468)が、國を統治するノウハウを聞きました。
『論語』為政篇のお話です。
哀公問曰、
哀公(アイコウ)問(と)いて曰く、
魯の哀公が、たずねました。
何爲則民服。
何を為(な)さば則ち民(たみ)服(フク)せん。
どうしたら民衆が従うのでしょうか。
孔子對曰、
孔子対(こた)えて曰く、
孔子は答えて言いました、
擧直錯諸枉、
直(なお)きを挙(あ)げて諸(これ)を枉(まが)れるに錯(お)けば、
正しい者を抜擢して不正な者の上におけば、
則民服。
則ち民(たみ)服(フク)す。
民衆は従います。
擧枉錯諸直、
枉(まが)れるを挙(あ)げて諸(これ)を直(なお)きに錯(お)けば、
不正な者を抜擢して正しい者の上におけば、
則民不服。
則ち民(たみ)服(フク)せず。
民衆は従いません。
今の日本の政府に通じるような話です。
ウソつきを長官にするような政府に国民はついていきません。