【言(ゲン)を択(えら)び志(こころざし)を篤(あつ)くす】と訓読されまして、
言葉を選び妄言をしないで真面目な心でいる、という意味です。
『近思録』論學篇にある言葉です。
『近思録』は、南宋の儒学者:朱熹(シュキ)と友人の呂祖謙(リョソケン)が、北宋の代表的儒学者である四人(周敦頤:シュウトンイ。程明道:テイメイドウ。程伊川:テイイセン。張横渠:チョウオウキョ)の著書や語録の中から、修身・斉家など日常に関係の深い622条を選んでまとめたものです。初学者の入門書と言われています。
内積中信、所以進徳也。
内に中信を積むは、德に進む所以なり。
心に信(まこと)を積むのは、德に進む道であり、
擇言篤志、所以居業也
言を擇び志を篤くするは、業に居る所以なり。
言葉を選び妄言をしないで真面目な心でいるのは
学問を長続きさせる道である。
余計なことですが、
北海道 美唄(ビバイ)市に『進徳』という名の地域があります。
ひょっとして『所以進徳也』から名付けられたのかな、とドキドキしています。
美唄は私の生まれ故郷です。
美唄市に、『進徳』と名づけられた経緯などを問い合わせをしました。すぐにご返事をいただきました。
地名は昭和15年大政翼賛会結成に伴い定められた地名で、
もとは地域の青年団の冠称。
『易経』の乾掛に「進徳修行」とあるのにちなむといわれる。
『美唄市地名辞典』より。
『易経』乾卦を調べてみました。 ありました。
子曰、君子【進徳】脩業。忠信所以【進徳】也。脩辭立其誠、所以居業也。
中国古典からの地名と分かり感動しました。
また『近思緑』のこの部分も、易経からの引用です。