なにか形跡(ケイセキ)の、現れた嫌疑(ケンギ)という意味の四字熟語です。
【形迹】は、物事が行われた(と判断できる証拠の)あとかた、です。出典は、『言志晩録』235条です。
【迹】は、【跡】の本字です。『本字』と言いますのは、角川『新字源』改訂新版によりますと、
【漢字の成り立ちから、正当な字形とすべきもの。おおむね、『説文解字』所収の篆文を
楷書体としたもの】
となってます。
形迹之嫌
形迹(ケイセキ)の嫌(ケン)は、
なにか痕跡のある嫌疑を受けた時には、
不可以口舌辯
口舌(コウゼツ)を以て弁(ベン)ず可(べ)からず。
口先で弁解しても効果はない。
无妄之災、不可以智術免。
无妄(ムボウ)の災(サイ)は、智術(チジュツ)を以て免(まぬが)る可からず。
また、正道を踏みながら受ける災い(无妄の災)は智慧や手術では免れることはできない。
莫如把一誠字以爲槌子
一誠字(イチセイジ)を把(と)って以て槌子(ツイシ)と為すに如(し)くは莫(な)し。
ただ「誠」の一字を握って、これを打出の小槌として打破する他に方法はない。