【戒(いまし)め愼(つつし)み、畏(おそ)れ愼む】という意味です。『中庸』の第1章、君子(立派な大人)は、常に道(人として守るべき道理)を畏(おそ)れ敬(つつし)む心をもち、見えないものでも戒め愼み、聞こえないものでも畏れ慎むのである、という文章の中で【戒愼】、【恐懼】として使われています。
道也者、不可須阿臾離也。可離非道也。
道(みち)なる者は、須臾(シュユ)も離るべからざるなり。離るべきは道に非ざるなり。
道というもの(日常生活で踏み行なうべき道理)は、しばしも離れることはできない。
離れられるもの、そんなものは道ではない。
是故君子戒慎乎其所不睹、
是(こ)の故に君子は其の睹(み)ざる所を戒慎(カイシン)し、
こういうわけで、君子は、見えない物でも戒め慎み、
恐懼乎其所不聞。
其の聞かざる所を恐懼(キョウク)す。
聞こえない物でも恐れ愼むのである。