【北窓三友】は、文人に必要な琴、酒、詩を言います。
【北窓三友】と題した、白居易の五言×34句の詩の題名からの『四字熟語』です。
最初の8句を掲示します。私訳です。
今日北窓下 今日北窓の下
北の窓のもと
自問何所為 自ら問ふ何の為す所ぞ
さて、どうしょうかなあ~
欣然得三友 欣然として、三友を得たり
オオ そうだ、三友があるじゃないか
三友者為誰 三友は 誰とか為す
三友ってのはね、
琴罷輙擧酒 琴罷(や)みて 輙(すなは)ち酒を擧(あ)げ
琴をやめたら、酒飲んで
酒罷輙吟詩 酒罷みて 輙ち詩を吟ず
酒をやめたら、詩を作る
三友逓相引 三友 逓(たがひ)に相(あい)引き
三友互いにつながって
循環無已時 循環して 已(や)む時無し
いつ果てることもなく。
『今年の漢字』は【北】でした。
白川静『常用字解』における【北】字の解説です。
会意。 右向きの人の形と左向きの人の形とを、背中合わせに組み合わせた形。
二人が背中合わせになった形であるから、「せ、せなか、そむく」の意味となる。
また敵に背中を向けて逃げることを敗北(ハイボク)といい、「にげる」の意味に用いる。
王は儀式を行うときには南を正面として坐るので、王の背を向ける方向、そむく方向を北といい、
「きた」の意味となる。
「北」が方位の「きた」の意味に用いられるようになったので、身体の部分を示す月(にくづき:肉)を
加えた背が「せ、せなか」の意味に用いられるようになった。