一日早く生まれたからという意味で、自分の経験、能力などを謙遜して言う言葉です。
『論語』先進篇に出ています。原文では【一日(イチジツ)爾(なんじ)より長(チョウ)ずる】という文章になっています。
【一日之長】がでている個所は、論語の中でも最長文のところです。
子路・曾皙・冉有・公西華、侍坐。
子路(シロ)・曽皙(ソウセキ)・冉有(ゼンユウ)・公西華(コウセイカ)、侍坐(ジザ)す。
子路・曽皙・冉有・公西華の四人が孔子の側に侍っていた時、
子曰、以吾一日長乎爾、毋吾以也。
子曰く、吾(われ)一日(イチジツ)爾(なんじ)より長(チョウ)ぜるを以って、
吾を以ってすること毋きなり。
孔子が言いました、
私が少しばかり君等より年上だからと言って、私に遠慮することはない。
居則曰、不吾知也。
居(を)らば則(すなは)ち日く、吾を知らざるなりと。
君等は日頃、自分を理解して(採用して)くれない、と言っている。
如或知爾。則何以哉。
如(も)し或ひは爾を知らば、則ち何を以ってせんや。
仮に今もし君等を理解して(採用して)くれることがあれば、
どんなことがしたいのかね。
ここから、それぞれが思いを述べます。