【大姦は忠に似たり】と訓読みされまして、
大悪人は、チョット見たところ忠義の人に似ている、と言う意味です。
『十八史略』宋篇で、王安石の改革に反対していた、呂誨(リョカイ)の弾劾文の一節に
【大姦似忠】が使われていました。
大姦似忠、大詐似信。
大姦は忠に似(に)、大詐(タイサ)は信に似たり。
大悪人はかえって忠臣に似ているものであり、
大うそつきはかえって、実直に見えるものである。
安石外示朴野、中藏巧詐
安石は外(そと)朴野(ボクヤ)を示し、中(うち)巧詐(コウサ)を藏(ゾウ)し
王安石は、うわべは素朴な正直者のように見せかけているが、
内心は巧みな詐(いつわ)りを蔵(かく)しており、
驕蹇慢上、陰賊害物。
驕蹇(キョウケン)にして上(ショウ)を慢(あなど)り、陰賊(インゾク)にして物を害(そこな)ふ。
生意気で、陛下を慢り、陰険で人をそこねる恐ろしい人物である。