【政(まつりごと)は、蒲盧(ホロ)のごとし】と訓読みされまして、政治とは蒲(がま)や盧(あし)のようなものである。ともに成長が早いことから、政治の効果がすぐに表れるたとえです。
その政治も立派な人がやってこそ、効果が表れるのであって、そうでない人が政治を行うと、とんでもないことになってしまう。と、四書(大學・論語・孟子・中葉)の中の『中庸』は言っています。
哀公問政。
哀公(アイコウ)政を問う。
(魯の)哀公が政治について質問された
子曰、文・武之政、布在方策。
子曰く、文・武の政は、布(し)きて方策に在り。
孔子が言いました、(周の)文王・武王の政治は文献に詳しい。
(だからと言って、それを読めばいいというものではありません。)
其人存、則其政舉。
其の人存すれば、則ち其の政舉(あ)がり、
それを活用できるしかるべき人物がいてこそ、その政治は立派に行われ
其人亡、則其政息。
其の人亡(な)ければ、則ち其の政息(や)む。
しかるべき人物がいないと、その政治もすたれてしまうのです。
人道敏政、地道敏樹。
人道は政を敏(つと)め、地道は樹(ジュ)を敏(つと)む。
人の行うべきことは、よい政治につとめることで、
それは大地の営みが草木の生育につとめるのと同じです。
夫政也者、蒲盧也。
夫れ政は、蒲盧なり。
それ政なるものは、蒲盧なり。