【心気精明】というのは、人の心持がはっきりとあきらかである、と言う意味です。
心気(心持ち)が精明(純粋で明らか)であれば、よく事機(ことを行う機会)を知ることができる、というのが、『言志晩録』284條で、佐藤一斎先生が言わんとした内容です。
心気精明、能知事機。
心気精明なれば、能く事機を知り、
人の心がはっきり明らかであれば、事が起こる前にその兆しを知り、
感於物先。
物先に感ず。
物事が起こる先々に感ずることができる。
至誠前知近之。
至誠(シセイ)の前知(ゼンチ)する之れに近し。
至誠の徳をもつ人が、吉凶禍福を前知することが出来るというのも、
これに近い道理によるのである。