【琴】と【瑟】の音がよく調和していることを表す四字熟語です。【琴瑟】を仲の良いことにたとえて、夫婦仲の好いこと、また、兄弟、友人の仲の良い喩にも、用いられていましたが、のちには専ら夫婦仲について言うようになりました。
『詩経』の「小雅(ショウガ)・常棣(ジョウテイ)」篇に
妻子、好合(コウゴウ)し、琴瑟を鼓(コ)するが如し、兄弟(ケイテイ)既に翕(あ)ひ、和楽(ワラク)して且つ湛(たの)しむ。
妻子睦まじく、琴と瑟とが調和するようであり、兄弟も既に集まり、
和らぎくつろいで、楽しみが尽きない。
とありまして【琴瑟相和】はこの詩句に基づいたものです。
【琴】は、丸みを帯びた中空の桐の胴に弦を張ったものです。一弦、五弦、七弦があります。
【瑟】は、「おおごと」と呼ばれ十五弦、二十五弦、五十弦等がありました。
類義の四字熟語に
【鴛鴦之契:エンオウのちぎり】 【関関雎鳩:カンカンショキュウ】
【琴瑟調和:キンシツチョウワ】 【琴瑟之好:キンシツのコウ】
【琴瑟之和:キンシツのワ】 【琴瑟和同:キンシツワドウ】
【比翼連理:ヒヨクレンリ】
対義の四字熟語に
【琴瑟不調:キンシツフチョウ】がありますが、他には見当たりませんでした。