前もって備えをして、災いを防ぐこと。鳥は雨が降る前に、巣の隙間をふさぐことから。
「綢繆」はまとい包むこと。「未雨」は雨が降らないうちにの意味です。
【綢】は、「糸+周(音符号)」の形声文字で、音は「チュウ」、意味は「まつわる。まとう」です。
【繆】は、「糸+翏(音符号)」の形声文字で、音は「ビュウ」、意味は「たばねる。あやま・る。まと・う」です。
【綢繆:チュウビュウ】は、まつわりつくとか、すきまなく糸などを絡めてふさぐ意味を表します。
【未雨:ミウ】は、未だ雨降らずということから、雨が降らないうちに、の意味です。
『詩経』豳風(ヒンプウ)鴟鴞(シキョウ)にでています。
迨天之未陰雨、
天のいまだ陰雨(ながあめ)せざるに迨(およ)びて、
空がまだ曇って、雨の降らないうちに、
徹彼桑土、綢繆牖戸。
かの桑土(ソウド)を徹(と)り、牖戸(ユウコ)を綢繆(チュウビュウ)す。
あの桑の根をはいで来て、窓や戸口を繕っておきました。
今女下民、或敢侮予。
今、汝(なんじ)下民、敢えて予を侮るもの或(あ)らんや。
下にいる人間たちは、私を馬鹿にすることはありますまい。