他と比べて抜きんでてすぐれていることを表す四字熟語です。
【超軼:チョウイツ】は、すぐれ抜きんでる、という意味です。
【絶塵:ゼツジン】は、二つ意味があります
① 俗世間と関係を絶つこと。世俗を超越していること。
② 塵ひとつたてないこと。馬などが非常に軽やかに、かつ速く走るさまの形容。
【超軼絶塵】の場合は、② です。
出典は『荘子』徐無鬼(ジョムキ)篇です。
魏の隠士:徐無鬼が魏の武侯(B.C.396~B.C.371)に面謁した時の話の一つです。
私が馬を見立てますと、(その馬は)
直進するときには墨縄の直線に合い、
曲がるときは鉤(まるがね)の曲線に合い
方形を画くときは矩(さしがね)の角に合い
円形のときは規(ぶんまわし)の丸さにぴったり、といった
調教が出来ます。
これは『一国の名馬』と言えます。
しかしまだ『天下の名馬』には及びません。
天下馬、有成材、若䘏若失、若喪其一。
天下の馬は、成材あるも、䘏(うれ)うるが若(ごと)く失うが若く、其の一を喪(うしな)うが若し。
天下の名馬は、天性の美質をそなえていながら、
もの悲しげで何かがぬけ落ちたようで、
まるでわが身の存在を忘れ去ったかのようです。
若是者、超軼絶塵、不知其所。
是(か)くの若き者は、【超軼絶塵】して其の所を知らずと。
このような馬こそ、群れを引き離し土煙をふりきって、目にもとまらぬ速さで疾走できるのです。
武侯大悦而笑。
武侯、大いに悦(よろこ)びて笑う。
武侯はたいへん喜んで、顔をほころばせた。
9月12日は『マラソンの日』だそうです。
紀元前490年、ペルシャの大軍がアテネを襲いマラトンに上陸しました。
アテネの名将ミルティアデス(Miltiades)が奇策をもちいてこれを撃退しました。
フィディピディス(Philippides)という兵士が伝令となってアテネの城門まで走りついて、
「我勝てり」と、アテネの勝利を告げたまま絶命してしまいました。