精神修養の方法として、論語の季氏篇にある【君子に九思有り】を佐藤一斎先生は『言志後録』128條で、我々に再考を促がしています。
孔子九思、曾子三省、
孔子の九思(キュウシ)、曾子(ソウシ)の三省(サンセイ)、
孔子が精神修養の方法として九思をあげ、
曾子が日に三度わが身を顧みたということであるが、
有事時以是省察、
事有る時は是れを以て省察し、
われわれも、これらのことにより、事ある時は省察し、
無事時以是存養、
事無き時は是れを以て存養し、
事なき時は正しい心を失わずに、自己の本性を養い、
可以為静坐工夫。
以て静坐の工夫と為すし。
もって静坐の際の工夫とすべきである。
孔子の言う【九思】は次のものです。
1 視思明:視るときは、本質を見抜くよう 心掛ける。
2 聴思聡:意見を聴くときには、よく聞き分けるように心掛ける。
3 色思温:顔つきはいつも温和であるように心掛ける。
4 貌思恭:振る舞いは、恭しくするよう心掛ける。
5 言思忠:言葉は誠実を心掛ける。
6 事思敬:行動は慎重であるよう心掛ける。
7 疑思問:疑わしいことは、よく質問することを心掛ける。
8 忿思難:立つ時は、後で災難が起こらないように心掛ける。
9 見得思義:利益を前にした時は、すぐ飛びつかず、その利が義に叶ったものであるかどうかを
よく考えるよう心掛けること。