四字熟語よりは【歳月人を待たず】という成句で知られています。
【歳月不待】は、陶淵明の『雑詩十二首』の中の最初に出てきます。
陶淵明(トウエンメイ、365年~ 427年)は、中国魏晋南北朝時代、東晋末から南朝宋の文学者。名は潜、字は淵明。自伝的作品「五柳先生伝」から「五柳先生」とも呼ばれる。郷里の田園に隠遁後、自ら農作業に従事。後世「隠逸詩人」「田園詩人」と呼ばれています。
【歳月人を待たず】は、5言×12句の詩です。「読み下し文」と「私訳」を示しました。
「読み下し文」 「私訳」
人生 根帯(コンテイ)無く、 人生、根なし草
飄(ヒョウ)として 陌上(ハクジョウ)の塵の如し。 風に吹かれて、塵なるか。
分散して 風に逐(お)ひて転ずる、 散り分かれて、なすがまま。
此れ已(すで)に 常の身に非(あら)ず。 我が身はどこに、定まらず。
地に落ちて 兄弟(ケイテイ)と為(な)る、 人間みな兄弟
何ぞ必ずしも 骨肉の親(しん)のみならん。 血のつながりは、なんのその。
歓(カン)を得(え)ては 当(まさ)に楽を作(な)すべし、 喜び、楽しみ、共にせん
斗酒(トシュ) 比鄰(ヒリン)を聚(あつ)む。 チョット一杯、どうですか。
盛年 重ねて来らず、 若い時は、いまだけよ
一日(いちじつ) 再び 晨(あした)なり難(がた)し。 一日、朝は一度だけ。
時に及んで 当(まさ)に勉励(ベンレイ)すべし、 学びの時は、今まさに
歳月 人を待たず。 歳月は人を待たず
6月10日は、『時の記念日』です。