心が広く細かいことに拘らないで、思いのままに伸び伸びしていることを表します。
【闊達】は、度量が大きく、小さな物事にこだわらないさまを言います。
【自在】は、思いのまま、邪魔するものがなく思うとおりになることを言います。
中島敦の『弟子』に【闊達自在】の用例があります。
一つ一つの能力の優秀さが全然目立たないほど、過不及無く均衡のとれた豊かさは、
子路にとって正(まさ)しく初めて見る所のものであった。
【闊達自在】、いささかの道学者臭も無いのに子路は驚く。この人は苦労人だなとすぐに
子路は感じた。可笑しいことに、子路の誇る武芸や膂力(リョリョク)においてさえ孔子の方が
上なのである。
ただそれを平生(ヘイゼイ)用いないだけのことだ。侠者子路はまずこの点で度胆(どぎも)を
抜かれた。
放蕩無頼(ホウトウブライ)の生活にも経験があるのではないかと思われる位、あらゆる人間への
鋭い心理的洞察がある。