【心は現在なるを要す】と訓読みされまして、心を常に現在の一時(いっとき)に集中して置きなさい、という佐藤一斎先生の言志晩録175条にある言葉です。
親鸞聖人が詠まれたと伝わる和歌、【明日ありと 思う心の あだ櫻 夜半に嵐の 吹かぬものかは】 と
同意です。
心要現在。
心は現在なるを要す。
心は常に現在の一刻に集中しておかなければならない。
事未来、不可邀。
事未だ来らざるに、邀(むか)う可からず。
事柄がまだ出現していないのに、これを迎える事は出来ない。
事已往、不可追。
事已(すで)に往(ゆ)けるに、追う可からず。
過ぎ去った事を、追いかけても追いつけない。
纔追纔邀、便是放心。
纔(わずか)に追い纔に邀(むか)うとも、便(すなわ)ち是れ放心なり。
わずかでも、過去を追ったり、来ない未来を迎えるということは、
自己の本心を失っている状態である。