【一里(イチリ)なれば椎(つち)を橈(たわ)む】と訓読みされまして、一つの村の人々が口を揃えて
「椎を曲げることができるほどの力持ちがいる」と言えば、本当はいないのに、いることになってしまうという意味です。
『淮南子』説山訓を出典としています。
衆議成林、無翼而飛。
衆、議(ギ)すれば林をも成し、翼(つばさ)無くしても飛ぶ。
衆人がそうだと言えば、平地に林が生じたり。翼のない鳥が空を飛ぶ。
三人成市虎。
三人なれば市(いち)に虎を成す。
三人が言えば、市場に虎が現れる。
一里能橈椎。
一里なれば能(よ)く椎(つち)を橈(たわ)む。
一村の人すべてが口を揃えれば、椎(つち)をも曲げる力持ちが出現する。
(多数の意見だからといって盲信してはならない)