学ぶ者と学ばぬ者との間には、極めて大きな差が出来ることの喩です。
学んだ者は龍となり、学ばなかった者は豚となってしまう。
韓愈が息子に勉強することを教えた詩がありまして、その中に【一龍一豬】が出ています。
一部分を記載します。
年至十二三,頭角稍相疏。
年十二三に至って、頭角稍く相い疎(わか)る。
成長して十二三歳になった時、
学問をしたものが抜きんでてくるようになる。
二十漸乖張,清溝映汙渠。
二十にして漸く乖張し、清溝 汗渠(オキョ)に映ず。
それで二十歳になれば差が大きくなる。
きれいな溝が汚れきった運河となってしまうのだ。
三十骨骼成,乃一龍一豬。
三十にして骨骼成り、乃ち一は竜、一は豬(チョ)。
三十歳になれば骨組みがしっかりして、
すなわち一方は龍となるか、もう一方は猪となるかである。
飛黃騰踏去,不能顧蟾蜍。
飛黄騰踏して去り、蟾蜍(センジョ)を顧みる能はず。
出世の道に飛んで行くか、思い通りにいかなくて
蟾蜍のようにみられるかである。