【枯魚、索(なわ)を銜(ふく)む】と訓読みされまして、干物の魚は縄で結ばれている、という意味ですが
その縄はすぐに虫に食われて腐ってしまうと言っています。勿論縄が腐ってしまう前に干物もやられてしまうでしょう。
【枯魚】は、魚を干したものです。
【銜索】は、縄を通すことです。
人の命ははかなく短いものであるから、親が生きているうちに孝行をしなさいということを譬えていったものです。
出典は『韓詩外伝:カンシガイデン』です。
『韓詩外伝』は、前漢の韓嬰(カンエイ)による書物で、さまざまな故事を編集し、関連する『詩経』の文章を引用して説明したものです。
枯魚銜索,幾何不蠹。
枯魚、索(なわ)を銜(ふく)み、幾何(いずくん)ぞ、蠹(むしば)まざらん。
干物の魚は縄で結ばれている、どうして蝕まれないことがあろうか
二親之壽、忽如過。
二親の壽、忽(たちま)ち過ぎるが如し。
両親の歳も、あっという間に年を取ってしまう。
(だから、親が生きている間に孝行すべきである)