辛抱強く、我慢をして、いったん決まったならば思い切って断行することを表した四字熟語です。
吉田松陰の『士規七則』の第七則にある言葉です。
一) 死而後已四字。言簡而義廣。
死而(し)て後已(や)むの四字は、言簡(ゲンカン)にして義広し。
『死而後已む』の四字は、簡単な言葉だが意味するところは遠大である。
堅忍果決。確乎不可抜者。
堅忍果決、確乎として抜く可からざる者は、
堅忍果決、何事にも動じないで実行すべきは
舎是無術也。
是を舎(おい)て術(すべ)無きなり。
この言葉を置いては他に無い。
いったん決めたら、それが叶うまで、死ぬまでやれ。というところでしょうか。
『士規七則』のほかの六則は次の通りです。読み下し文のみ記載します。
一) 凡そ生まれて人たらば、宜しく人の禽獣に異なる所以を知るべし。
蓋し人に五倫(君臣の義、父子の親、夫婦の別、長幼の序、朋友の信)有り、而して
君臣父子を最も大なりと為す
故に人の人たる所以は忠孝を本と為す。
一) 凡そ皇国に生まれては、宜しく吾が宇内(ウダイ)に尊き所以を知るべし。
蓋し皇朝(コウチョウ)は万葉(マンヨウ)一統にして、邦国(ホウコク)の士大夫、世々に
禄位を襲(つ)ぐ。
人君は民を養ひて、以て祖業を続(つ)ぎ、臣民は君に忠して父志(フシ)を継ぐ。
君臣一体、忠孝一致たるは、唯だ吾が国のみ然りと為す。
一) 士道は義より大なるは莫(な)し。義は勇に因りて行はれ、勇は義に因りて長ず。
一) 士道は質実欺(あざむ)かざるを以て要と為し、巧詐(コウサ)文過(ブンカ)を以て恥と為す。
光明正大、皆な是に由りて出づ。
一) 人、古今に通ぜず、聖賢を師とせずんば則ち鄙夫(ヒフ)のみ。読書尚友(ショウユウ)は
君子の事なり。
一) 盛徳達材、師恩(シオン)友益(ユウエキ)多きに居り。故に君子は交遊を慎む。