物事が自分の意に適っていることが多く、またそんな時期に自分がいる、ということを意味しています。
でもそんな時こそ要注意ですよ、と佐藤一斎先生は『言志耋録(テツロク)』32條で説いています。
得意物件、可懼、不可喜。
得意の物件は懼おそる可くして、喜ぶ可からず。
得意の事が多いということは、実は懼れなくてはいけないことで、
決して喜ぶべきことではない。
失意物件、可慎、不可驚。
失意の物件は、慎む可くして、驚く可からず。
反対に、物事が思うに任せない失意の時には、慎まなければいけないけれども、
驚いてばかりいる必要はない。
この時こそ反省して次に備える絶好の機会であるからだ。