巧みに人をあざむく策略を表す四字熟語です。
【権謀】は、臨機応変の謀(はか)りごとを意味します。
『荀子:王覇』に、【権謀】のこわさを記述しているところがありまして、そこでは【義によって王になり、信によって覇者となり、権謀によって、国亡ぶ】とありました。【権謀】を駆使すると国が滅びるといってます。いまから2300年ほど前、戦国時代の世でも【権謀】はダメだったようです。
【術数】は、はかりごと、策略のことです。【術】にも【数】にも謀りごとの意味があります。
【権謀術数】の四字熟語は南宋・朱熹の『大學章句序』に出ています。
[読み下し文] 権謀術数一切もって功名を就(な)すの説と、かの百家衆技の流れ、世を惑わし民を誣(し)いて、仁義を充塞(ジュウソク)するゆえんのものと、また紛然としてその間に雑出す。
[訳] 権謀術数をめぐらして実利と名声を求める学説や、諸子百家の流派など、世を惑(まど)わし人民を誑(たぶら)かして仁義の教えを塞(ふさ)ぎ止めるような者が、また現れてきた。
話は飛びます。
ルネサンス期の1513~14年に『君主論』を書いたマキャヴェリに由来する言葉で、【マキャヴェリズム:権謀術数主義者】と言うのがあります。
目的のためには手段を選ばない、といった意味で使われています。
マキャヴェリは、「国家が危機に陥った場合、政治家は国家存続の目的のために有効ならば、手段を選ぶべきではない」とも言っているようです。
ルネッサンス時代の考え方ですから、今は通用しないのでしょうけど、
6月1日の1面トップ記事は 『経産省が値上げシナリオ』 でした。
東電の申請前から、値上げを延期したうえで認可するという「出来レース」を組み立てていた可能性有り。
経産省と東電の癒着を、何故断ち切らないんでしょう。 断ち切る人がいないからなんでしょうね。
癒着を断ち切らないということは、そのまま続けていいですよ。と言うことになりますよね。
値上げはするは、再開はするは、後始末は遅れてるは。 どうなるんだろう、いったい。