【酒入れば舌出ず】と訓読みされまして、酒に酔いすぎると口数が多くなって、失言する恐れがあり、ときには身を滅ぼすことにもなりかねない、ということを戒めた言葉です。
中国の春秋時代、斉の桓公は、大臣たちに酒を振る舞った時に、宰相の管仲は半分ほど飲んで酒を捨てたのを見て、それを咎めると、「酒に深く酔うと失言する恐れがあり、失言して身を捨てるよりは酒を捨てるほうがよい」と答えた、という『説苑』敬慎篇にある故事からの四字熟語です。
齋の桓公(カンコウ)、大臣の爲に酒を具(そな)へ、期するに日中を以てす。
管仲(カンチュウ)後れて至る。桓公觴(さかづき)を擧(あ)げて以て之(これ)に飲ましむ。
管仲半(なかば)酒を棄(す)つ。
桓公曰く、期して後れて至り、飲みて酒を棄つるは、禮に於て可ならんやと。
管仲對曰、臣聞、
管仲對へて曰く、臣聞く
管仲答えて言うには
酒入舌出、舌出者言失、言失者身棄。
酒入れば舌出て、舌出づる者は言を失ひ、言失ふ者は身棄てらると。
酒に深く酔うと失言する恐れがあり、失言して身を捨てることにもなりかねません。
臣計、棄身不如棄酒。
臣計(はか)るに、身を棄つるは酒を棄つるに如かじと。
身を捨てることになるよりも、酒を捨てる方がよいと思いまして。
桓公笑ひて曰く、仲父(チュウホ)起ちて坐に就(つ)けと。
昨日発表されたのですが
平成28年度 新酒鑑評会で福島県は、5年連続金賞日本一になりました。
22蔵元が受賞しました。
今年は酉年、お酒の歳です。
「酉」は酒樽を表す字として作られました。