男の子が生まれること、男子誕生の喜び、またその御祝いの言葉を表します。
【弄】は、王(玉)+廾(両手)から作られた会意文字です。両手で玉を持って遊ぶ意味を表します。
そこから「もてあそ・ぶ」、「いじ・る」、「まさぐ・る」という意味を表すようになりました。
部首は「廾」で、部首名は「にじゅうあし」です。この部首の形が、にじゅう「二十」と似ているので、
「にじゅうあし」と呼ばれますが足とは関係がありません。両手を表します。
【璋】は、「圭:ケイ」という、上が円錐で下が四角の玉器を縦に半分にした玉器です。
古代中国では、生まれた男の子に、玩具としてこの【璋】を与え、成長して出世することを
願ったようです。
『詩経』の小雅篇に、宮殿の新築落成記念をうたった「斯干:シカン」という、4言×53句から構成された詩があります。この詩の後半35句目から53句目に、当時の風俗・習慣による赤ちゃんの育て方が歌われてます。男の子と女の子で扱い方が随分違います。
35 大人占之、 夢占い 之を占う
36 維熊維羆、 くま ひぐま
37 男子之祥、 男の子のきざし
38 維虺維蛇、 まむし へび
39 女子之祥。 女の子のきざし
40 乃生男子、 もしも男(お)の子が生まれたら
41 載寢之牀、 牀(ショウ:寝台)に寢せ
42 載衣之裳、 晴衣を着せて
43 載弄之璋、 璋(たま)を手に遊ばせる
44 其泣喤喤、 その泣き声も元気よく
45 朱芾斯皇、 やがては朱芾(シュフツ:赤いひざかけ。高位)に煌(かがや)けり
46 室家君王。 末は高貴に昇るべし
47 乃生女子、 もしも女(め)の子が生まれたら
48 載寢之地、 地に寢かせ
49 載衣之裼、 裼(むつき)着せ
50 載弄之瓦、 瓦(糸巻きの玩具)を手に遊ばせる
51 無非無儀、 よくも無く あしくも無く
52 唯酒食是議、 日々の炊事が出来ればよし
53 無父母詒罹。 父母に心配かけぬよう。