美人を形容した言葉です。
【紅粉】は、紅と白粉を言います。
【靑蛾】は、眉を蛾の触角のように、三日月の形にして青い色で描くこと。
杜審言(トシンゲン:杜甫の祖父)の『戲贈趙使君美人』と題する七言絶句の唐詩に、起句としてでています。戯れに趙使君(チョウシクン)の愛妾に贈る、という意味です。穏やかではありません。
紅粉青蛾映楚雲
紅粉(コウフン)青蛾(セイガ) 楚雲(ソウン)に映じ
美しき人、天に映え
桃花馬上柘榴裙
桃花の馬上 柘榴(ざくろ)の裙(もすそ)
騎(の)るは、きれいな桃花(つきげ)の馬に、 見れば、もすそはざくろ色
羅敷獨向東方去
羅敷(ラフ:邯鄲の美女)独り東方に向かって去る
羅敷さん、一人東の方へ
謾學他家作使君
謾(マン)に他家を学んで使君を作らん
真似して、チョット口説いてみよか。(じょうだん、じょうだん ごめんなさい)
この詩の前提に『陌上桑』という樂府(ガフ)があります。内容は
趙の王仁の妻の羅敷(ラフ)が陌上(道ばた)で桑を摘んでいるとき、その美しい姿にひかれた
趙王が恋心を起こして言い寄ったが、彼女はそれを拒絶しました。
という内容です。