【精衞、海を塡(うず)む】と訓読みされまして、出来もしないことを計画して、やってみるが結局無駄なことに終わるたとえです。
『山海經』という、中国の地理書に出ているお話です。多くは神話伝説のようです。
伝説の時代、「セイエイ、セイエイ」と鳴く、鴉くらいの大きさの鳥がいました。鳴き声から『精衞』と
名付けられました。
炎帝の娘、名を『女娃(ジョエ)』。
彼女は泳ぎが大好きでした。その日も海で泳いでいましたが、突然の大波に呑み込まれ
溺れて死んでしまいました。
この『女娃』が後に『精衛』に生まれ変わりました。
『精衞』は、自分のように溺れ死ぬ人がいなくなるようにするには海がなければいい、と考えました。
『精衛』は、毎日山から木の枝や小石を口にくわえて、海の上から投下し続けました。
毎日、毎年、来る日も来る日もこの作業を続けました、とさ。