物事が複雑に入り組んで、解決が難しいことを表す四字熟語です。
【盤根】の盤は「わだかまる」、「とぐろをまく」、「複雑に入り組んでいる」などの意味がありまして、【盤根】は根が複雑に入り組んでいることをいいます。
【錯節】は入りくんだ、木の節を表します。
【盤根錯節】は『後漢書・虞詡(グク)伝』にでてきます。
虞詡は河南省の朝歌県の県長に任命されました。任命されたころ、朝歌県で叛乱が頻発していましたのでその鎮静に向かわせられたようです。友人たちは戦死するかもしれないと心配しましたが、
虞詡は笑って言いました
【盤根錯節に遇わずんば、なんぞもって利器を別(わか)たんや】
曲がった根や、入りまじった節とかに合わなければ、鋭い刃物の値打ちは、わからない。
【盤根錯節】は、ことが複雑に絡み合っている状態を表すだけではなく、人のねうちは困難に遇ってはじめてわかるという意味も含めているようです。
虞詡はこの叛乱を治め、その後も功を立て、高位にのぼりましたが、常に正論を吐くことから、宮廷の側近や宦官ににくまれ、何度も難を受けます。
最後まで、【盤根錯節】に挑みつづけ、権威に逆らい通して死んだそうです。