【善に従うは登るが如し】と訓読みされまして、人が善に従うことは山に登るようなものであり、善をなすのが難しいことの喩えです。出典は『国語』周語下です。
【如】は、漢音「ジョ」です。呉音「ニョ」です。如意(ニョイ)。如是我聞(ニョゼガモン)。如実(ニョジツ)。
【從善如登】は、漢音で読みました。
【登】は、音読み「トウ」です。登記、登録、登場。「ト」は慣用読みです。
『国語』は、春秋時代の列国、周・魯・齊・晉・鄭・楚・呉・越の8か国の事績を国別に記した書です。
『春秋左氏傳』を内傳というのに対し、『春秋外傳』とも言うようです。
水火之所犯、猶不可救。
水火の犯す所も、猶ほ救ふべからず。
水や火が破壊するのでさえ救うことはできないのに、
而況天乎。諺曰、
況(いわん)や天を而(しか)るをや。諺に曰く、
天が破壊する所はとうてい救うことはできない。諺にあるように
從善如登、從惡如崩。
從善如登、從惡如崩。
善に従うことは山に登るように難しく、悪に従うことは山が崩れるようにたやすい。