【學に志すの士】と訓読みされまして、学問に志す人という意味の四字熟語ですが、佐藤一斎先生『言志耋録』17条によりますと、学問に志して人格を磨き上げようとする人にとって、頼むのは自分自身であることを知りなさい、ということです。
志学之士、当自頼己。
学に志すの士は、当(まさ)に自ら己を頼むべし。
学問に志して人格向上をしようと思う者は、頼むのは己自身であると覚悟しなくてはならぬ。
勿因人熱。
人の熱に因(よ)ること勿れ。
かりにも他人の熱を頼って暖めてもらうことなど思ってはならない。
淮南子曰
淮南子に曰く、
『淮南子』に
乞火、不若取燧。
火を乞うは、燧(スイ)を取るに若(し)かず。
火を他人に乞い求めるよりは、自分で火打石をうって火を出す方が宜しい。
寄汲、不若鑿井。
汲(キュウ)を寄するは、井(セイ)を鑿(うが)つに若かず
また、他人の汲み水をあてにするよりは、自分で井戸を掘る方が宜しい、と書いてある。
謂頼己也。
己れを頼むを謂うなり。
このことは自分自身を頼れということである。