きめ細かく美しい肌と白い歯の、美しい人を言います。
【曼:マン】は、つやがあって美しいさまを言います。
【理:リ】は、皮膚のきめを言います。
【皓歯:コウシ】は、しろい歯のことです。
出典は『韓非子』揚搉(ヨウカク)篇です。揚搉は、搉(あらまし)を揚(あげ)る、と訓読みされまして「君子」の心がけのあらましを述べる、という意味です。
中国古典での「君子」を、立派な大人、ちゃんとした人と読み替えますとより身近になります。
ですから現代版【君子】は『今日四字』を読んでいただいている「皆様」のことを言ってます。
天有大命,人有大命。
天に大命(タイメイ)有り,人に大命有り。
天には自然の大きな法則があり、人にも人としての大きな決まりごとがある。
夫香美脆味,厚酒肥肉,甘口而疾形。
夫(そ)れ香美脆味(コウミゼイミ)、厚酒肥肉(コウシュヒニク)は、
口に甘(うま)きも形を疾(や)ましめ。
そもそも香りのよいやわらかな食べ物や、濃い酒、脂ののった肉は、
口にうまくても体には毒である。
曼理皓齿,说情而捐精。
曼理皓齿(マンリコウシ)は情を説(よろこ)ばすも精を捐(す)つ。
膚の美しい白い歯の美人は、情欲を満たしてくれても精力はすり減らされる。
故去甚去泰,身乃无害。
故に甚(ジン)を去り泰(タイ)を去らば,身(み)乃(すなわ)ち害なし。
だから(大きな決まりごとに従って)何事にもはめをはずした行き過ぎをしなければ、
身体も害を受けることはないのだ。
と、韓非子は言っています。