【十分を要せず】と訓読みされまして、人の過失を責める場合、100パーセントとっちめるのは善くない、ということを表した四字熟語です。
出典は『言志晩録』233条です。
責人之過失、不要十分。
人の過失を責むるには、十分を要せず。
人の過失を責める場合、100パーセントとっちめてはいけない。
宜餘二三分、
宜しく二、三分を余(あま)し、
宜しく二、三分は残しておいて、
使渠不甘自棄以覓自新可。
渠(か)れをして自棄に甘(あま)んぜず、
以て自ら新たにせんことを覓(もと)め使(し)むべくして可なり。
その人が自棄(やけ)を起さずに、自ら心を改めて、
新しく立ち直るようにしてやれば宜しい。