音声のあとの響きが、長く続いて絶えることがないように感じられることを表した四字熟語です。
蘇軾の前赤壁賦(ゼンセキヘキのフ:1082年7月作)の中に【余韻嫋嫋】出ています。【余韻嫋嫋】の前後を記載します。
後赤壁賦は、前赤壁賦を作った3か月後に作られていました
客有吹洞簫者、 客に 洞簫(ドウショウ)を吹く者 有り、
お客さんの中で洞簫を吹く者がいました、
倚歌而和之、 歌に倚よりて 之に和す。
歌に合わせてこれと合奏しました。
其聲鳴鳴然、 其の聲 鳴鳴然(メイメイゼン)として,
その音は悲しみ嘆くような音色であり、
如怨如慕、 怨(うら)むが如く 慕ふが如く,
恨むようで、慕うようである、
如泣如訴、 泣くが如く 訴(うった)ふるが如し;
また泣くようで訴えるようであった。
餘韻嫋嫋、 餘韻(ヨイン)嫋嫋(ジョウジョウ)として,
余韻は細く長く続いて、
不絶如縷、 絶えざること 縷(いと)の如く,
絶えないことは細い糸のようである。
舞幽壑之潛蛟、 幽壑(ユウガク)の潛蛟(センコウ)を 舞はしめ,
奥深い谷に潜むみずちを舞わせ、
泣孤舟之嫠婦。 孤舟の嫠婦(リフ)を 泣かしむ。
一艘の小舟にのる未亡人を泣かせるのであった。