【故(ふる)きを吐(は)きて新(あたら)しきを納(い)る】と訓読みされまして、古いものを捨て新しいものを取り入れることをいいます。
【吐故:トコ】は、古いものを吐き出す意味です。
【納新:ノウシン】は、新しいものを入れる意味です。
『荘子』刻意篇にある四字熟語です。刻意篇は「精神」の重要性を説いている篇です。
【吐故納新】は、出典となっている『荘子』の中では、神仙術における【体内のよごれた気を吐き出し、きれいな気を吸いこむ】という深呼吸のことを言ってますが、一般的に敷衍して、古いものを捨て新しいものを取り入れることをいいます。
吹呴呼吸、吐故納新、
吹呴(スイク)呼吸し、吐故納新し
息をはいたり吸ったりして深呼吸をし、古い氣を吐き出して新しい氣を吸い込み、
熊経鳥申、爲寿而已矣。
熊経鳥申(ノウケイチョウシン)するは、寿を為すのみ。
熊がぶら下がるような、鳥が身を伸ばすような格好(で体操するの)は、
長生きしようとしているだけのことである。
此導引之士、養形之人、彭祖寿考者之所好也。
此れ導引の士、養形の人、彭祖(ホウソ)寿考(ジュコウ)なる者の好む所なり。
これは、導引の士、肉体の鍛錬をする人、彭祖のような長寿を願う人が好むことである。