言葉で言い表せないほどあまりにひどいこと、という意味です。
【言語】は、ゴンゴと読みます。言葉に表すことを言います。【言】をゴンと読むのは
仏教関係に多い読み方で「呉音読み」と言います。「漢音読み」はゲンです。
【道断】は、ドウダンと読んで、言うことが絶たれることを言います。【道】に「言う、語る」という
意味があります。
広辞苑によりますと
① 仏教の奥深い心理は言葉で説明することができないことをいう。
② 一般に、口ではとうてい言い表せないことにいう。
③ 転じて、とんでもないこと。もってのほかのこと。
となっています。
出典は『維摩経』です。【言語道断】のところを抜き書きしてみました。
方(ホウ)に在(あ)らず、方を離れず。
有為(ウイ)に非ず、無為に非ず。
示すこと無く、説くこと無し。
施(シ)せず慳(ケン)せず、
戒(カイ)せず犯(ハン)せず、
忍(ニン)せず恚(イ)せず、
進せず怠(タイ)せず、
定(ジョウ)せず乱せず、
智(チ)せず愚(グウ)せず、
誠(セイ)ならず欺(あざむ)かず、
来たらず去らず、出でず入らず、
一切の言語の道(みち)断つ。