朝蠅(チョウヨウ)は驅(か)るを須(もち)いず,暮蚊(ボブン)は拍(う)つ可(べ)からず。
韓愈の五言律詩『雑詩』の首聯(1句と2句)から作られた四字熟語で、つまらない人物が蔓延るたとえを言いました。
朝蠅不須驅,暮蚊不可拍。
朝蠅は驅るを須いず,暮蚊は拍つ可からず。
日中は、(蝿が居て、うるさいが、)わざわざこれを追い払うにも及ばない。
夕方になると、(蚊が居て、まことにこまるが、)これを拍(たた)いて追うことはむつかしい。
蠅蚊滿八區,可盡與相格。
蠅蚊 八區に滿つ,盡く與に相い格(ただ)す可(べ)けんや。
今や蝿と蚊とは、世間にいっぱい溢れてる、両方、除き去ることは出来ない。
得時能幾時,與汝恣啖咋。
時を得ること 能く幾時ぞ,汝の與(ため)に啖咋(タンサク)を恣にせしめん。
蝿蚊の煩(うるさ)いのは、年がら年中と言う訳でもないから、
食ったり、刺したりするのに任かせて置くのもよかろう。
涼風九月到,掃不見蹤跡。
涼風 九月到らば,掃うて蹤跡(ショウセキ)を見ず。
涼しい風が吹いて、九月にもなれば、
ことごとく一掃して、あとかたもなくなる。