「わだち」に溜った水の中の鮒が、いまにも死にそうなので助けを求めていることを表している四字熟語です。
【轍】は、車が通ったあとに出来る「わだち」のことです。
『荘子・外物(がいぶつ)』に出ている四字熟語です。「外物」というのは外からわが身に及んでくるものをいいます。
『荘子』は戦国時代の思想家:荘周の著によるものです。33編ありますが内編と言われる7編だけが荘周の自著で他は後人の作と言われています。【轍鮒之急】の出ている「外物篇」は荘周の作ではないようです。
荘周は家が貧しくてある時、代官のところへ食糧を借りに行きました。
「いいですよ。二三日したら領地から税金がはいるはずだから、そうしたら三百金ぐらいは貸してあげるよ。」
これを聞いて荘周はムッとして顔色を変えて言いました
「私がここへ来る途中で、誰かがおれを呼びとめた。誰かと思って見まわすと、轍の水溜まりに鮒が一匹いるじゃないか。
『いったいどうしたんだい』 と聞くと、鮒は
『こんなところに落ちこんで、苦しくてたまりません。少しの水で結構ですから、運んできて私を助けて下さい』と言うんだ。 そこで私は言ってやったよ
『ああいいとも。私はこれから南方の呉や越に遊説しにいくところだから、そのついでに蜀江(ショクコウ)の水を持ってきてやるよ』 そうしたら、鮒はムッとして顔色を変えて
『私はいま、水が欲しくて困っているんですよ。何杯かの水さえあれば助かるところですが、あなたがそうおっしゃるのならもう結構です。いっそのこと、後で乾物屋の店先で私が干物になっているのを見に来たらいいでしょう』 ってね」。
邪魔したな、アバヨ!
生活保護受給者が最多更新。2月時点で209万人、世帯数は152万世帯とのこと。失業などを理由とした働ける世代の受給増加が目立ってます。 生活保護を受けていることが分かると、採用もしてくれないそうです。
何とか助けて下さい。