卑近でありながら、影響がこの上なく大きいものは、言語と飲食である。
『近思録』存養篇にある言葉です。
『近思録:キンシロク』は、朱熹(シュキ)と呂祖謙(リョソケン)が4人の北宋時代の学者、周敦頤(シュウトンイ)、張横渠(チョウオウキョ)、程明道(テイメイドウ)、程伊川(テイイセン)の著作から、修身・斉家など日常に関係の深いもの622條を選んで編纂された、朱子学の入門書と言われています。
愼言語以養其徳、
言語を慎みて以て其の徳を養ひ、
言葉遣いを慎重にして徳を養い、
節飲食以養其體。
飲食を節して以て其の體を養ふ。
飲食を控えめにして身体を養う。
事之至近而所繫至大者、
事の至近にして、繋(かか)る所の至大なる者、
至って卑近でありながら、影響がこの上なく大きいものは
莫過於言語飲食也。
言語飲食に過ぎたるは莫し。
言語と飲食が第一だ。