【懇到】は、懇ろに行き届くことで 【切至】は、この上なく親切が行き届くとお云う意味です。
同義の熟語を重ねて、【懇切】丁寧に対応することを表します。
佐藤一斎先生の『言志録』第151條にある四字熟語です。
善を責(せ)むるは朋友(ホウユウ)の道なり。
善いことをするように勧めるのは、友達として当然のことです。
只だ須(すべか)らく懇到切至にして以て之に告ぐべし。
その場合、真心を込めて懇切丁寧に勧めなければいけません。
然(しか)らずして、徒(いたず)らに口舌(コウゼツ)に資(と)りて、
ところが、真心がこもってなく、口先だけで
以て責善(セキゼン)の名を博(ハク)せんとせば、
いかにも、友達のために、良かれと思って忠告してやったんだ、というのであれば、
渠(か)れ以て徳と為さず、
その友人は、有難いとは思わず、
郤(かえ)って以て仇(あだ)と為さん。
かえって仇と思ってしまうものだ。
益無きなり。
そうなれば、忠告は全く無駄なことになってしまう。