【根を釋(す)てて、枝に灌(そそ)ぐ】と訓読みされまして、木の根に水をやらないで、枝に注ぎかける、という意味から、大切でない部分に心を奪われて、物事の根本を忘れることを言います。
【釋】は、会意文字で、白川静先生の『字統』によりますと、獸の爪(釆)を以て、獸の屍体(睪)を
裂き分けることを表す字だそうです。意味は「とく」、「すてる」です。常用漢字体は「釈」です。
【灌】は、氵+雚(音符号) から作られた形声文字です。意味は「そそぐ」です。
『淮南子』泰族(タイゾウ)訓にある四字熟語です。
今不知事脩其本、
今、其の本を脩(おさ)むるを事(こと)とするを知らずして、
もし根本を修養すべきことを知らず
而務治其末
其の末を治むるを務(つと)むるは
末端を治めることに努めれば
是釋其根而灌其枝也。
是(こ)れ其の根を釋(す)てて、其の枝に灌(そそ)ぐなり。
これは、木の根に水をやらないで、枝に水を注ぎかけるようなものだ。
【釋根灌枝】と同義の四字熟語が【本末転倒】です。
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今日の四字熟語 No. 140 【本末転倒】 ほんまつてんとう
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