【書 秋に読むべし】と訓読みされます。原文は【書冊 秋に読むべし】です。
本を読むのには秋がふさわしい。
南宋四大詩人の一人:楊(ヨウ)万里(バンリ)の『感秋:秋に感ず』という詩の一句です。
悲しみの秋を詠じた作品が多い中、この詩は、自由な楽しみを味わうべきである、と詠ってます。
読書の他に
詩を作るのにも秋が一番。
更に,秋の夜長とくりゃ、とことん飲むしかないでしょう。
野山の散策も結構。
いま秋、ほどほどに飲みましょう。
五言古詩です。訳は私の意訳です。多分こんな意味だと思います。
平生畏長夏 平生 長夏を畏れ 暑いなあ
一念願清秋 一念 清秋を願う 早く秋にならないかなあ
如何遇秋至 如何(いかん)ぞ 秋の至るに遇えば 秋になったら
不喜却成愁 喜はずして 却って愁を成すは 何をしようかなあ
書冊秋可讀 書冊 秋に読む可(べ)く 本 読もう
詩句秋可捜 詩句 秋には捜(さが)す 可し 詩 作るのもいいな
永夜宜痛飲 永夜 痛飲に宜しく 長い夜は、とことん飲むぞ
曠野宜遠遊 曠野(コウヤ) 遠遊に宜し 山歩きも良いな
江南萬山川 江南 万山川 江南の山や川
一夕入寸眸 一夕 寸眸(スンボウ)に入る 昨夜 眺めたんだけど いいなあ
請辨雙行纏 請ふ 双行纏(テン)を弁ぜよ 脚絆 一組用意してください
何處無一丘 何れの処にか 一丘無からん 行きたいところばかりです。