利益をむさぼる心という意味です。
『近思録』巻五・克治篇にある言葉です。
仁之難成久矣。
仁の成り難きは久し。
仁が実現しにくいことは久しい。
人人失其所好。
人人其の好む所に失するなり。
人々が自分の好みに片よっているのである。
蓋人人有利欲之心、與學正相背馳。
蓋(けだ)し人人に利欲の心有りて、學と正(まさ)に相背馳(あひハイチ)す。
それは、人々に物をほしがる心があって、それが学問から外(そ)れるからである
故學者要寡欲。
故に學ぶ者は欲を寡(すく)なくせんことを要す。
故に勉強するものは、欲望を少なくする必要がある。