白髪が黄色みを帯びるようになった老人のことを言います。ただ単に白髪の老人を言うのではなく、
知識や経験を重ねた老人のことを言います。
【黄髪】は、黄色みを帯びた白髪ということから、老人のことをいいます。
【番番】は、白髪のことをいいます。
『史記』秦本紀、繆公36年(B.C. 624)のところに出ています。
嗟 士卒 聽 無譁、余誓告汝。
嗟(ああ)、士卒よ、聴け、譁(かまびすし)くする無かれ、余、誓いて汝に告げん。
ああ、わが士卒よ、静かにしてよく聞け、私は誓ってなんじ等に告げる。
古之人謀黃髪番番、則無所過。
古の人は【黄髪番番】に謀(はか)れば、則ち過つ所無し。
昔の人は【番番たる白髪の老人】に謀って事をなしたので、過誤するところがなかった
以申思不用蹇叔、百里傒之謀、
蹇叔(ケンシュク)・百里傒(ヒャクリケイ)の謀を用いざりしを
申思(シンシ:かさねて思い出すこと)するを以て
(しかるに、私はそうではなかった)いま蹇叔、百里傒の謀を用いずして
失敗したことを再思する、
故作此誓、令後世以記余過。
故に此の誓を作る、後世をして以て余の過ちを記せしむ。
故に、この誓いをして、後生子孫に私の過ちを銘記せしめるのである。