【五倫】は人として守るべき五つの道を言います、【五常】は五つの德を言います。
人之有道也、飽食煖衣、逸居而無教、則近於禽獸。
人の道有るや、飽食煖衣(ホウショクダンイ)、逸居して教うることなければ、則ち禽獸に近し。
人民というのは衣食が十二分でぶらぶら暮らし何も教育を受けないとケダモノと変わりがない。
聖人有憂之、使契爲司徒、教以人倫。
聖人有(また)之を憂え、契(せつ)をして司徒たらしめ、教うるに人倫を以てし。
聖人(舜:シュン)はこれを心配しては契(セツ:殷の祖先)を司徒(シト:文部大臣)にして、
人民に人の道を教えさせた。
人の道とは、すなはち
1) 父子有親、
父子(フウシ)親(シン)有り
父子の間には親愛があり、
2) 君臣有義、
君臣(クンシン)義(ギ)有り
君臣の間には礼義があり、
3) 夫婦有別、
夫婦(フウフ)別(ベツ)有り
夫婦の間には区別があり、
4) 長幼有敍、
長幼(チョウヨウ)敍(ジョ)有り
長幼の間には順序があり、
5) 朋友有信、
朋友(ホウユウ)信(シン)有り
そして朋友の間には信義がある。
【五常】は、儒教で、人の守るべき五つの普遍的な眞理をいいます。たとえば
1) 仁 人を思いやること。
2) 義 利欲にとらわれず、なすべきことをすること。
3) 礼 「仁」を具体的な行動として表したもの。
4) 智 物の道理を知り、正しい判断を下す能力。
5) 信 欺かない事。偽らない事。忠実なこと。
などです。