身を落として大きな望みを達成すること、を言います。
古代中国 伊尹は殷の湯王(トウオウ)に仕えようと思い、料理人にになって王に近づき、ついに志を果たし、宰相になりました。という物語が『史記』殷本紀に出ています。
伊尹名阿衡。
伊尹、名は阿衡(アコウ)
伊尹は阿衡と名づけられた
阿衡欲奸湯而無由
阿衡、湯(トウ)に干(もと)めんと欲すれども由(よし)無し
阿衡は湯王に仕えようと欲したが、コネがなかった。
乃為有莘氏媵臣
乃(すなわ)ち有莘氏(ユウシンシ)の媵臣(ヨウシン)と為り
そこで、有莘氏の娘の嫁入りの時の付き人たる媵臣になって
負鼎俎
鼎俎(テイソ)を負い
鼎(かなえ)や俎(まないた)を背負ってついて行き、
以滋味說湯
滋味を以て湯に説き
うまい料理をつくって湯王にとり入り、ついに湯王に説いて
致于王道。
王道を致せり。
王道をなしとげたという。