舟遊びや山遊びに夢中になって家に帰るのを忘れ、狩りや酒色にふけって家庭を顧みないことを言います。
【流】は、舟遊びをして家に帰ら無い事。
【連】は、山遊びをして家に帰ら無い事。
【荒】は、狩猟に夢中になること。
【亡】は、酒色に溺れてしまうこと。
『孟子』梁(リョウ)恵王(ケイオウ)下に出ています。
齊の景公が晏子に巡守(国を巡り歩く)について尋ねている場面です
流連荒亡、爲諸侯憂、
流連荒亡は、諸侯の憂(うれい)と爲(な)す、
流連荒亡は、今の諸侯の大きななやみなのであります。
從流下而忘反、謂之流、
流に從い下りて反(かへ)るを忘る、之を流と謂い、
川で舟遊びをして帰るのを忘れる、之を流と謂い、
從高上而忘反、謂之連、
高(たかき)に從い上りて反るを忘る、之を連と謂い、
高いところに上って山遊びをして帰るのを忘れる、之を連と謂い、
從獸無厭、謂之荒、
獸(かり)に從いて厭(あ)く無き、之を荒と謂い、
獣を追いかけて狩りに夢中になって、厭きるのを知らないのが荒であり
樂酒無厭、謂之亡、
酒を樂しみて厭(あ)く無き、之を亡と謂う。
酒に溺れてとめどないのが、亡と謂うのです。
先王無流連之樂、荒亡之行、
先王には流連の樂しみと、荒亡の行と無かりき、
先王には誰一人として流連の樂しみや荒亡の行ないに
憂き身を窶(やつ)すひとはいませんでした。