(世界の中で、理解しあえる人さえいれば)たとえ遠く離れていても、すぐ近所にいるように思われる、と言うことを表した四字熟語です。
初唐の四傑(王勃:オウボツ。楊炯:ヨウケイ。盧照鄰:ロショウリン。駱賓王:ラクヒンオウ)の一人、
王勃の『杜少府(トショウフ)の蜀州(ショクシュウ)に任ぜらるるを送る』の詩にある言葉です。
初唐の四傑の頭文字を取って作られた四字熟語もあります。【王楊盧駱:オウヨウロラク】です。
【天涯】は、非常に遠い所、【比隣】は、隣近所の意味です。
城闕輔三秦 城闕(ジョウケツ) 三秦(サンシン)に輔(たす)けられ
長安の都は三秦に守られ
風煙望五津 風煙(フウエン) 五津(ゴシン)を望む
風と靄の向こうに、君の向かう五津を眺める
與君離別意 君と離別(リベツ)の意(イ)
君との別れに、心も痛む
同是宦游人 同(とも)に是(こ)れ宦游(カンユウ)の人
共にしがない地方巡りの身
海内存知己 海内(カイダイ) 知己(チキ)存(ソン)せば
世界の中で、理解しあえる人さえいれば
天涯若比鄰 天涯(テンガイ)も比鄰(ヒリン)の若(ごと)し
天の果てでも、ご近所どうし
無為在岐路 為(な)す無(な)かれ 岐路(キロ)に在りて
止めようじゃないか 分かれ道に臨んで
児女共沾巾 児女(ジジョ)と共に巾(キン)を沾(ぬ)らすを
女 子供 じゃあるまいし 手巾を濡らすなよ