龍と虎のように互角の力を持ったものが力を尽くして激しく戦うことを言います。
【龍】は、呉音読みで「リュウ」、漢音読みで「リョウ」です。
坂本龍馬は漢音読みの「リョウマ」となります。
常用漢字の【竜】は略字体です。
【騰】は、馬+朕(音符号)から作られた形声文字です。部首は「馬」で、あがるの意味です。物価高騰。
【龍騰】は、龍が勢いよく天に昇ることをいいます。
【虎】は、強いものの代表で「龍虎」とペアでよく用いられます。
【鬪】は、鬥(たたかいがまえ:人がたたかう形)+豆寸((音符号:トウ)から作られた形声文字です。
常用漢字で門(もんがまえ)にしているのは字源的には間違いです。
【虎鬪】は、虎どうしが雄々しく鬪うことをいいます。
【龍騰虎闘】は、夏目漱石『吾輩は猫である』第8章にでています。
両人(ふたり)は垣を境に何か談判している。聞いて見るとこんなつまらない議論である。
「あれは本校の生徒です」
「生徒たるべきものが、何で他(ひと)の邸内へ侵入するのですか」
「いやボールがつい飛んだものですから」
「なぜ断って、取りに来ないのですか」
「これから善(よ)く注意します」
「そんなら、よろしい」
【竜騰虎闘】の壮観があるだろうと予期した交渉はかくのごとく散文的なる談判をもって
無事に迅速に結了した。主人の壮(さか)んなるはただ意気込みだけである。いざとなると、
いつでもこれでおしまいだ。